4月18日、参議院国際問題調査会でアジア外交について委員間で意見交換が行われました。
私はアジア外交について、アジアの地域発展への貢献という視点に立ちつつ、日本の持続的発展という視点からも取り組んでいく必要性を述べました。
私の意見表明の概要は次のとおりです。
日本経済の再生、さらに言えば今後の日本が衰退せずに発展していくためには、端的に言って企業のグローバル化での成功が鍵を握ると思います。 人口減少社会でしかも現時点で500兆円を超える国債残高といういわば負の遺産をかかえた日本がこれを乗り越えて発展していくには、技術革新を成し遂げて、企業が海外で成功していくことがどうしても必要になると思います。特に、日本の企業そして個人はアジアでの地域発展への貢献をしつつ、その活躍の場を増やしていかなければなりません。またFTAや経済提携協定の推進を図り、投資ルールの整備に力を入れていかなければならないと思います。
同時に通貨の安定を図ることが極めて重要であります。第一は円ドルの安定を図ることです。この問題については、やはり米国にきちんとした財政運営をしてもらって通貨が乱れないようにすべきであることを日本としてはもっと主張していくべきであると思っています。
それから、アジア通貨の安定が重要になってきます。先日のG7でも人民元の切上げ問題が議論されましたが、アジア経済危機の再来を防ぐためにもアジア通貨の安定が必要であり、日本が主導権を発揮してアジア各国と経済情勢について意見交換を密にして、必要であれば金融協力もしていかなければならないと思います。
また、外資による乗っ取りを防ぐ手だてを十分に講じることは必要ですが、日本への人、資本の流入を図ることもグローバル化という見地から重要なことであります。
こうした方向を考えると、我が国としてはアメリカとの関係、EUとの関係が大事であることは当然ですが、東アジア共同体構想は旗として掲げ続けて、一歩でも前進させていくというスタンスでなければならないと思います。
更に言えば、世界の環境問題、地球温暖化を巡る問題があります。日本が今後、人口減少社会、財政悪化という大きな負の条件を乗り越えて発展できるかどうかは、技術革新を成し遂げて企業がグローバル化で成功出来るかどうかにかかっていると申し上げましたが、その考えられる分野は第一に環境分野であります。
日本が環境分野で技術革新を成し遂げて国際競争力を持つためには、米国、EUはもちろん中国も先を読んで環境技術の開発に相当力を入れ始めているようですので、日本は研究開発に遅れをとらないよう政策のバックアップが必要であることは当然ですが、中国、インド、東アジアなど発展途上国での米国、EUさらには中国との競争に勝っていくことが重要です。特にアジア諸国において京都議定書のCDMなどの協力を推進していくだけでなく、こうした国への環境意識の向上をはかることが地球環境問題への貢献という見地だけでなく日本の将来の経済発展のために欠かせないことであると思っています。
日本としては地球温暖化を防止し、この地球を将来世代に引き継いでいくことに貢献することが必要であり、それは同時に日本経済の再生、さらには日本の持続的な発展のための道であるという意識を日本自らがもっと持たなければならないと思っています。 |
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