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日本ヒートアイランド学会設立総会で挨拶する中川雅治 |
今年の夏の暑さもいよいよ本格的になりました。昨年の夏の東京は最高気温が39.5℃に達しました。東京消防庁によれば昨夏の熱中症急患数は892人にのぼりました。このままでいけば2030年頃の東京の最高気温は43℃を超えるとの予想もあります。
東京のような都市部では、冷房などの空調、コンクリートとアスファルトによる熱吸収、無秩序な建築物と狭い街路による気流の妨げなど幾つもの要因が重なりあってヒートアイランド現象とよばれる局地的な高温域が出現します。
ヒートアイランドは、最近では研究分野も理学(気象学・都市気候学・地理学・大気環境学など)、医学、保健衛生学、工学(建築学・機械工学・環境工学・土木工学など)、農学、経済学、法学など極めて多岐にわたっています。
また、行政においても、ヒートアイランド対策や技術については国の各省や各地方自治体の多くの部局に関係してくるのですが、相互の関連性が十分にとれていません。
このような背景のもと、学問の統合および緊急を要するヒートアイランド対策・技術を検討するオープンな場として、7月29日、日本ヒートアイランド学会が設立されました。
会長には、東北大学大学院環境科学研究科教授の斉藤武雄先生が就任し、私は名誉会長となりました。最高顧問に首都大学東京総長の西澤潤一先生、名誉アドバイザーに元都議会議長で環境問題に熱心に取り組んでこられた田中晃三先生が就任されました。
私は環境省在任中にヒートアイランド対策に取り組み、関係各省との調整に汗を流した経験があります。
こうした経験を踏まえ、当学会の発展とヒートアイランド対策の推進に全力で取り組んでいきたいと思っています。
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懇親パーティーの会場で斉藤武雄会長と握手 |
日本ヒートアイランド学会名誉顧問の
ロバート・ボーンシュタイン博士
(サンノゼ州立大学気象学部教授)と話す |
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