アスベストの被害については、政府内でも閣僚会合などで議論がされていますが、被害者の救済や被害の拡大防止、国民の不安解消に政府全体として全力で取り組むべき喫緊の課題です。
私は、アスベスト問題については、完全な科学的確実性がなくても深刻な被害をもたらすおそれがある場合には対策を遅らせてはならないという考え方、つまり予防的アプローチが当時の環境庁において、さらに政府部内全体において、あるいは社会全体において浸透していなかったということが被害を大きくしてしまった原因の一つであると思っています。
アスベストが原因と思われる健康被害に苦しんでいる方が多くいる今の現実を踏まえると、政府はもっと早くアスベストの使用規制や排出規制を導入すべきではなかったかと、今から振り返れば、反省しなければなりませんし、本当に悔やまれます。
私は、このアスベスト問題について10月18日参議院環境委員会で小池環境大臣をはじめ政府側に質問しました。
まず、アスベストによる健康被害の救済の基本的考え方について、小池環境大臣は「労災の対象とならない工場周辺の住民の皆さんなどこれまでの法律では救済できない被害者の方々のために新法を作って臨んでいく」方針を明らかにしました。しかも「スピード感をもって作業を進め、次期通常国会のできるだけ早い時期に法案を提出したい」と述べました。
さらに、新たな法制度における給付金の内容としては、既存の制度の対象とならない方々を対象として、医療費の自己負担分、療養手当、遺族一時金及び葬祭料を給付するという方向で検討を進めていることが明らかにされました。
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質問する中川雅治 |
答弁する小池環境大臣 |
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答弁する竹下環境大臣政務官 |
また、私が老朽化した建物の解体に伴うアスベストの飛散防止対策について質したのに対し、竹下環境大臣政務官より、大気汚染防止法の規制の規模要件の撤廃を検討している旨の答弁がありました。
さらに、私はアスベストを含む廃棄物の処理の問題についても質問しました。また、民間のマンション等や中小企業の工場等のアスベストの除去に対する支援策について質問し、こうした支援策を積極的に検討すべきであると主張しました。 |
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