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参議院財政金融委員会で尾身財務大臣に質問


質問する中川雅治平成19年3月15日、参議院財政金融委員会で平成19年度の公債発行特例法案と税法改正案の審議が始まりました。私はトップバッターで質問に立ち、尾身財務大臣等政府側と議論をしました。
最近税収が好調なこともあり、財政再建について楽観的な見通しを述べる人もいます。しかし、今後、高齢化に伴う社会保障に要する経費の増加や、基礎年金の国庫負担割合の引き上げなどの要因を考えれば、財政の先行きは決して楽観的な状況ではありません。
まず、2011年度における国、地方合計のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化という政府の目標達成の実現見通しについて尾身財務大臣に質問しました。
尾身財務大臣は、「これからの少子化対策に必要な歳出や金利上昇が起きた場合の負担増を考慮して、プライマリーバランス黒字化の道筋を考えていかなければならない」ことを指摘し、「国民全体の理解をいただきたい」と述べました。
プライマリーバランスの黒字化とは、その年度の政策的経費はその年度の税収等で賄うことが可能となるということであり、公債の償還や利払いはやはり公債を発行して賄わざるを得ないのであって借金地獄は変わらないのです。
答弁する尾身財務大臣
質問する中川雅治
答弁する山本経済産業副大臣
まして800兆円近くにも達する国、地方の公債等残高を減らせるわけではありません。
また、政府が目指すプライマリーバランスの黒字化は地方頼みであって、国だけでみると少なくとも現時点で9兆円の赤字であり、これをなんとかしなくては国のプライマリーバランスは黒字にならないのです。
私はこうした問題意識の下で、国のプライマリーバランスの黒字化、さらに公債等残高の減少の方向について尾身財務大臣の認識を伺いました。
尾身財務大臣は「膨大な財政赤字が存在することによって、国民全体の受益と負担が乖離し、将来世代にツケを残すことになる」と指摘し、「歳入、歳出の抜本的改革により、国のプライマリーバランスの黒字化を視野に入れながら国民の皆様の理解を得ていきたい」旨述べました。
次に、私は最近東京と地方との格差が広がっているとして、東京と地方との間で税源の調整が必要であるとの意見が出ていることに対し、「東京だけが独り勝ちしてけしからぬという感情的な議論ではなく、いろいろな角度からのデータをよく見てフェアに冷静に、しかも国全体のことを考えての大局的な議論を積み重ねて進めていただきたい」と述べ、具体的なデータを示して質問しました。
尾身財務大臣は「地域間のバランスを考えることが大変大事だと思っておりますが、東京の方々にもよく理解をいただいた上で、あるいは私どもも東京の事情をよく理解した上で、総務大臣とも相談して適切に対応してまいりたいと考えております」と答弁しました。
また、私は、今後の税制改革論議に関連して中小企業の事業継承の円滑化を図るため相続税制の見直しをする必要があることを指摘しました。
特に、都市部では、広い土地等を使って事業を営む場合の相続税負担が大きいことから、中小企業の事業継承が困難となるケースも出ています。廃業になった場合、雇用が失われるだけでなく中小企業の持つ技術やノウハウの喪失が懸念されます。
日本の場合、非上場株式等に係る相続税負担が海外の主要国と比較しても重く、中小企業の事業承継の円滑化を図る観点から見直す必要があると考えています。
他方で、我が国の場合、100人亡くなると相続税を払う人は4人位となっています。資産再分配機能を高めるため、相続税の課税ベースや税率も再検討する必要があると思います。
「相続税制全般を見直す中で、中小企業や都市農業を営む人には十分配慮するといった現状を踏まえた改正をするべきである」との私の考え方について、尾身財務大臣、山本幸三経済産業副大臣の見解を聞きました。山本副大臣は、特に非上場株式の相続税軽減措置について、「来年度の税制改正で是非大幅に拡充したい」との意向を示しました。尾身財務大臣も「中小企業の事業承継の問題は、長年の懸案事項であるから、私どもも真剣に取り組む」とし、「関係者の皆様の御意見を十分聞きながら対応してまいりたい」と述べました。
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