イラク共和国大統領府長官ナシール・アル・アーニー氏(中央)と懇談する中川雅治(右) |
イラク共和国大統領府長官のナシール・アル・アーニー氏がこのほど日本政府の招待で来日しました。
私は6月10日、アニー長官と、長官に同行してきた駐日イラク大使のガーニム・アルワーン・アル・ジュマイリー氏と自民党本部で面会し、懇談しました。
アーニー氏は、大統領(クルド)、首相(シーア)、副大統領(スンニー及びシーア)のいわば「トロイカ体制」における事実上の最高意思決定機関である大統領府で長官を務めるなど、イラク共和国の中枢で極めて重要な役割を果たしています。又、アーニー長官はスンニ派を代表する政党であるイラク・イスラム党の幹部でもあります。
同行したジュマイリー駐日イラク大使は、バクダッド大学で物理学を学び、米国のニューメキシコ大学で電気工学の博士号を取った技術者でもあり、2004年に駐日イラク大使として着任しました。
イラクの治安情勢は、昨夏以降、バクダッド、西部アンバール県といったスンニー派地域を中心に全体として改善傾向にありますが、引き続き厳しい情勢です。アーニー長官は、日本の対応に感謝すると同時に、イラクを再建する上で他国とどのようにつき合っていくべきか日本の外交関係者の意見を聞きたいとして今回の訪日に期待していました。
又、アーニー長官は、「イラクの治安情勢は依然として厳しいものがあるが、イラクに関する世界各国のメディアによるニュースの中には偽造されたものや、全く根拠のないもの、些細な事を大きく取り上げているものなどイラクの特定の政党や組織から意図的に流された情報を報道しているものがたくさんある。」と述べていました。
短い時間でしたが、イラクの実情を知る貴重な懇談のひと時でした。
イラク共和国のアーニー大統領府長官(中央)、
ジュマイリー駐日イラク大使(左)と懇談する中川雅治(右) |
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イラク共和国のアーニー大統領府長官(右)とジュマイリー駐日イラク大使(左) |
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