参議院沖縄・北方問題特別委員会の理事会メンバーで12月21日と22日の両日、根室へ出張し、北方領土関係者との意見交換などをしてきました。
参加したメンバーは、委員長の私、中川雅治と、自民党の島尻安伊子理事、民主党の今野東理事、行田邦子理事のほか公明党、みんなの党、共産党、社民党の各理事会メンバーで、総勢8名となりました。
21日の午後に中標津空港に到着し、納沙布岬から北方領土を展望した後、独立行政法人北方領土問題対策協会が開設している北方館を視察しました。
その後、北海道立北方四島交流センター「ニ・ホ・ロ」において、まず、領土問題をサークル活動として研究している根室高校の「北方領土根室研究同好会」のメンバー6人と懇談しました。
会長の佐藤暢哉君は「今年は一番返還が遠のいた年だと感じた」と述べ、その理由として、メドベージェフ・ロシア大統領の国後島訪問、その後の第一副首相の北方領土訪問で「領土のロシア化を印象づけた」ことをあげました。私は胸が痛む思いで佐藤君の話を聞きました。又、2年生の木村智美さんは、「教科書には北方領土のことは3行しか載ってない」と指摘し、「学校で北方領土を勉強する量を増やしてほしい」と訴えました。
続いて、北方領土問題対策協会、千島歯舞諸島居住者連盟、北方領土復帰期成同盟などの北方領土の元居住者関係団体等の代表者から要望を聞き、意見交換をしました。
北方領土返還を実現するためには強力な外交交渉を推進する必要があることは当然のことですが、学校教育における取り組み、さらには国内世論の喚起を求める声が強く出されました。
又、北方領土に存在していた漁業権には一切補償がなされておらず、過去約60年間にわたって補償要求をしてきたが、全く進展がないことに強い不満が示されました。
その後、北海道庁の方や根室市長ほか隣接町の町長など行政関係者とも意見交換しました。
皆様方からいただいた御要望や御意見については、今後の国会活動に活かしていきたいと考えます。
翌22日は釧路地方法務局根室支局を視察しました。
同支局では、北方領土の登記簿や土地台帳を保管しています。北方領土地域においては、国の行政権の行使が事実上不可能な状態におかれていることから、同地域に所存する不動産に関する登記事務は行っておりませんが、登記簿や台帳上の所有名義人に関する相続の申出がなされたときは、これを受理して相続関係を明確にしておくため、所定の記録事務を行っています。
我々は、こうした事務の実情を視察しました。
北方領土の登記簿や土地台帳については紙の劣化が進んでいますので電子データにして保存しておく必要があると思いました。
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納沙布岬から北方領土を展望する中川雅治(左から3人目)ら 参議院沖縄・北方問題特別委員会の理事会メンバー |
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根室高校の「北方領土根室研究同好会」のメンバーとの意見交換会の様子 |
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釧路地方法務局根室支局に保存されている 北方領土の登記簿を視察する中川雅治 |
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