5月3日の憲法記念日に「新しい憲法をつくる国民会議」(会長 清原淳平氏)主催の「新しい憲法をつくる国民大会」が新宿区箪笥町の牛込箪笥区民ホールで開かれました。本大会は今年で42回目となります。
当日は、清原淳平氏の挨拶の後、平成国際大学大学院教授高乗正臣氏の「危機管理・安全保障と憲法改正」と題する講話がありました。
続いて国会議員による講演があり、私は「憲法に国家緊急事態に関する規定を!」と題する講演を行いました。
東日本大震災による被災者の救援、被災地の復興、福島原発事故の収束などに向け政府がもっと的確かつ迅速な対応をとるためには、総理大臣が憲法上リーダーシップを発揮できるような仕組みが必要であるし、個人の財産権や経済的行動の自由と公共の利益との調整などに関する規定を整備しておかなければならなかったと考えます。
現行憲法には国家緊急事態に関する規定がないに等しく、諸外国の憲法と比較しても不備は明らかであります。
東日本大震災が起きた3月11日時点で、衆議院が解散されていた場合、あるいは衆議院の任期満了直前で大震災発生直後に総選挙に入らざるを得なかった場合を想定すると、国家は機能不全に陥り、大変な事態になっていただろうと予想されるのであります。
統一地方選挙の場合、被災地について法律を制定して延期しましたが、衆議院の任期満了の場合、総選挙の延期の規定は憲法上ありません。
憲法は国家の非常事態を想定していないと言っても過言ではありません。
現行の日本国憲法は占領憲法であり、日本に起こり得る緊急事態に関しては占領軍が対処することを想定していたのかもしれません。
現在、尖閣諸島や北方領土をめぐる問題など我が国の領土や主権をおびやかす事態が生じております。我が国にいつ大規模なテロが起きないとも限りません。
日本が本当の意味で独立国家として存続していくためには、憲法上国家緊急事態に関する規定を置き、国家緊急事態に関する法律をあらかじめ整備しておく必要があると考えます。
私は講演の中で、以上のことを強く訴えました。
本大会の最後に、「国家緊急事態の場合に関する明文の規定を憲法に置くべきである」などを内容とする大会決議が行われました。
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新しい憲法をつくる国民大会で講演する中川雅治 |
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新しい憲法をつくる国民大会で講演する中川雅治 |
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