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活動報告
 

平成23年の活動報告

 
岩手県釜石市、大槌町、宮古市の被災現場を視察


7月6日と7日の両日、私は末松信介参議院議員と共に岩手県の釜石市、大槌町、宮古市の被災現場を視察し、がれきの処理状況、仮設住宅の建築状況、漁港などの復旧状況等を見てまいりました。そして、岩手県の上野善晴副知事等と面談し、県の復興基本計画の説明や国への要望などを聞きました。


◆釜石市の被災現場を訪問

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岩手県沿岸広域振興局の方の説明を受ける
1次仮置場に集められているがれき
建設中の仮設住宅
釜石港にて被災状況の説明を受ける
壊滅的な被害を受けた漁港
私と末松参議院議員の2人は7月6日、東北新幹線で北上駅まで行き、そこからレンタカーを借りて午後1時すぎに釜石市に到着しました。
 まず、釜石市の岩手県合同庁舎に行き、岩手県沿岸広域振興局の熊谷正和経営企画部長、山口浩史水産調整課長、川村健司漁港漁村課長、釜石市の前田達也災害廃棄物対策担当課長等から、がれきの処理状況や漁港の復旧状況等について説明を受けました。
 7月4日現在、東日本大震災による釜石市の死者は871人、不明者は359人、避難者は1257人となっています。
 がれきの処理については、現在は1次仮置場に可燃物、不燃物と分別しながら集積している状況です。がれきの木材については、海水を被っているので、そのまま炉に入れて燃やすと炉が傷むため、これをどうするのか見通しをつけなければ、いずれ大変なことになるという現場の声を聞かせていただきました。後に宮古市へ伺った時も、塩分を含んだ膨大な量のヘドロの処理に当たっては、まず脱塩の技術を確立することが必要であり、国がしっかり対応してほしいとの声が出ていました。
 各市町を訪問して共通しているのは、いずれにしても岩手県内のがれきを最終的に岩手県内で全部処理するのは不可能なので、広域処理の方針を国と県で早く立てて、その方針のもとに早急に処理していくことが必要であるとの声でした。ただし、一方で、国や県は細部にわたることまで全て計画に織り込もうとし、完璧な計画が出来るまで処理を進めさせないという傾向があるので、まずは処理をスタートさせ、進めながら次のステップを考えるようにしなければどんどん遅くなってしまうという指摘もありました。
 釜石港の防波堤では20年かけて建設したものが一瞬にして壊れ、魚市場も大きな被害を受けてしまいました。
 釜石市の水産関係者は、漁港が復旧しても、魚を水揚げしてさばいて販売する魚市場を復旧させなければ、ほかの漁港にとられてしまうことになるので、漁港と魚市場の両方を早期に同時に復旧させる必要があると述べていました。
 復旧、復興にあたっては、現地の方の声を十分に聞いて、実効ある対応をしていく必要があることを痛感しました。

◆大槌町の被災現場を訪問


丘の上から大槌町の被災直後の様子を聞く
町全体が壊滅的な被害を受けた大槌町
破壊された大槌町役場庁舎
旧大槌町役場庁舎付近の状況
仮設で作られた大槌町役場
釜石市の次に、私達は大槌町の被災現場を訪問しました。 大槌町は東日本大震災で町内全域が甚大な被害を受けました。総人口1万5千人余りの町でしたが、7月4日現在で死者785人、不明者827人、避難者1,797人となっています。
 地震直後、町長はじめ町役場の職員は役場庁舎の外にテントを張って災害対策会議をしていたところ、津波が接近したとの報を受けて屋上に避難しようとしましたが、間に合わず町長のほか課長クラスを含む32人の職員が亡くなりました。
 震災前の町役場の職員は136人でしたが、現在は新人13人を加えた107人で仕事をしています。
 小学校は3校が被災し、再開のめどは立っていません。基幹産業の漁業は700〜800隻あった船が11隻残るのみで、ワカメやホタテの養殖施設910基もほぼ全滅したとみられています。(産経ニュース参照)
 私達は大槌中央公民館の裏手にある小高い山に登り、そこから大槌町の全体を見渡しました。
 木造の建物はほぼ全て解体され、がれきは仮置場に置かれています。鉄筋、鉄骨の建物は未だ解体されずに残っていますが、全てが壊滅状態になっています。ひどいものは骨組みだけがかろうじて残っている状態です。震災当時火災が広く発生し、周辺の山にも焼け焦がれた木々がたくさんあります。
 大槌町は人口の大部分が大槌湾に面した海沿いに集まり、大津波と火災により町が壊滅した状態になりました。
 町長は亡くなり、6月20日には副町長の任期が満了となり、現在は総務課長が町長職務代行を務めています。町長選挙は8月28日実施と決まりましたが、町役場の機能は大きく失われてしまっています。
 大槌町の住民の皆さんは住み慣れた土地に対し愛着をお持ちでしょうが、元の地域で町の再生を図ることは難しく、今後は山を切り開いて高台に住宅を建て、町を創っていくという大変な困難が待ち受けていると思います。住民の皆様の声を十分に聞きながら国、県が全面的に支援して何としても復興を果していかなければならないと考えます。



◆宮古市の被災現場を訪問


宮古市役所にて説明を受ける
破壊されずに残った一部の「田老万里の長城」に登って田老地区を見渡す
津波により破壊された「田老万里の長城」
防潮堤より内側の地域も破壊されている
地震の地殻変動により
砂浜がなくなってしまった海岸
(以前は海水浴もできた)
私と末松参議院議員の2人は大槌町から宮古市へ向かいました。午後5時過ぎに宮古市役所に到着し、岩手県沿岸広域振興局の菊池正佳副局長、宮古地域振興センターの花山智行所長、宮古市の下澤邦彦危機管理監、宮古市の波岡達彦環境課長等から、がれきの処理状態や復旧・復興に向けての国や県に対する要望等を聞きました。
 宮古市のがれきは86万トンに達していますが、その約半分はすでに撤去し、仮置場に搬入しているとのことです。ただし、仮置場が足りず、民有地の借上げをしなければならない状況ですが、思うように進まず、隣町の協力を仰がなくてはならないとのことです。
 私達は市役所で説明等を受けた後、壊滅的被害を受けた宮古市田老地区を視察しました。田老地区では、小堀内漁港近くで、津波の遡上高が37.9mに達しました。日本最大規模を誇り、「田老万里の長城」と呼ばれた防潮堤が破壊されました。宮古市の広報誌「広報みやこ」には「総延長2433メートル、海面からの高さ10メートルに及ぶ田老の大防潮堤も、今回の津波にはなすすべがなかった」と記されています。私達は一部跡形もなくなった「田老万里の長城」を見て、ここまで築き上げた人間の防災の英知と努力も所詮は自然の猛威の前には勝てなかったのかとただただ呆然と立ち尽くすのみでした。
 宮古市の全壊家屋は3669棟ですが、そのうち1609棟が田老地区となっています。
 「広報みやこ」の中で宮古市の山本正徳市長は「私は自宅などを失い、今はアパートに住んでいます。時々ではありますが、田老の元の自宅に帰ろうとしている自分に気付き、ハッとすることがあります」と述べています。
 さらに山本市長は「現在、被災地区でのがれき除去や避難者の応急仮設住宅の建設などが進められ復旧に向けた活動に全力を挙げているところです」と述べ、そのような状況の下、重点的に行うべきこととして、「被災者の生活再建」「産業の復活」「将来のまちづくりビジョンの作成」を挙げ、「宮古市は必ずや復興いたします」と決意を語っています。
 私も国政の場を通じて宮古の復興のために努力いたします。



◆岩手県庁を訪問、上野善晴副知事等と面談


岩手県庁にて上野善晴副知事や
復興局の幹部等の説明を聞く
岩手県の上野善晴副知事
上野副知事より説明を受ける中川雅治(右)と
末松信介参議院議員


 私達は、7月7日の午前10時に岩手県庁を訪ね、上野善晴副知事、復興局の宮卓司総括課長、環境生活部の吉田篤総括課長等と面談し、岩手県の復興基本計画や災害廃棄物処理実行計画等の説明を受けるとともに、国への要望等を聞きました。
 岩手県内の被害の状況は7月5日現在で、死者4573人、認定死亡者294人、行方不明者2169人となっています。建物被害(全壊、半壊、一部損壊)は27,306棟に及び、避難者は12,200人となっています。
 岩手県内の被害額は4兆円に及んでおり、これは岩手県内総生産に匹敵する額です。沿岸の市町村は約半分のストックが毀損してしまったとのことです。
 県側からは、こうした状況を踏まえ、「阪神・淡路大震災における特別措置を超える国庫補助負担率の引上げや補助対象の拡大、採択基準の弾力化等の国の力強い措置」を講じるよう強い要望が出されています。
 上野副知事をはじめ県復興局の幹部からは「前例にとらわれない国の幅広い強力な支援」が求められ、早急な追加予算措置と復興一括交付金の創設により地方の創意工夫を発揮させることが必要であると強い要望を受けました。

 6月20日に成立した「東日本大震災復興基本法」は自民党の提案・考え方がベースになっています。その他にも内閣提出の震災対策法案のほとんどは自民党の提言に沿ったものばかりです。
 自民党はさらに、政府の対応が遅々として進まない分野で議員立法により独自の法案を提出しています。
 また、自民党は、本格的な復旧、復興に向けて「総額17兆円の2次補正予算に盛り込むべき具体的政策」を政府に先駆け取りまとめました。
 私は、今後とも被災県の御要望に常に耳を傾けながら、自民党の様々な会議の場等で発言し、又、参議院の委員会等で政府への質疑等を通じて、復旧、復興へ向け全力を尽くしてまいります。次回の参議院環境委員会では、がれきの処理を促進するため政府の考えを質した上で私の提案をします。
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