私は、9月22日、映画「アントキノイノチ」のモデルになった遺品整理サービスを行っている(有)キーパーズ代表取締役の吉田太一さんらと松原忠義大田区長を訪問しました。
皆さんは遺品整理サービスという仕事を耳にされたことはあるでしょうか。
シンガーソングライターとして人気のさだまさしさんが遺品整理業キーパーズの吉田太一さんを特集した番組を見て、ぜひ遺品整理業を題材にした小説を書きたいということになり、「アントキノイノチ」という題名の小説が誕生しました。2009年に発売されたこの小説が映画化され、本年、モントリオール世界映画祭でイノベーション賞を受賞しました。この映画は、岡田将生さんと榮倉奈々さんを主演に、「命」と「愛」をテーマとし、命が失われた場所での仕事を通じて、主人公が生きる勇気を少しずつ取り戻していく物語となっています。
キーパーズは今では全国各地に支店を構えていますが、東京では大田区平和島に支店があります。小説には平和島や甘酒稲荷などの描写が出てきます。
今回は、その御縁もあり、キーパーズ代表取締役の吉田太一さんと一緒に大田区の松原忠義区長へ御挨拶に伺いました。「アントキノイノチ」の制作を担当したTBSテレビ映画事業部の辻本珠子さんと同映画の広報を担当している松竹宣伝プロデューサーの小林真希さんも一緒に行きました。
辻本珠子さんは「映画の撮影中に東日本大震災があり、撮影の中断も考えました。しかし、『命』というテーマが今深く考えられている時だからこそ、この映画を若い人達にも見ていただきたいと考え、撮影を継続しました」と言っていました。
松原区長は、「アントキノイノチ」のポスターなどを区政に活用させていただくとおっしゃっていました。 大田区は区内の病院・診療所や薬局などのすべてを掲載している冊子を作るなど命を守る施策を積極的に推進し、さらに、被災地支援ボランティア活動にも力を入れています。
キーパーズの吉田さんは孤独死などの問題に対しても精力的に取り組んでおられます。
阪神・淡路大震災では被災者の方が仮設住宅での生活が長期にわたり、地域コミュニティが希薄なため隣人が異変に気付きにくく、疾病などで身動きが取れないまま死亡してしまうケースがありました。今回の東日本大震災においてもそのような孤独死が起きるのではないかと危惧しています。
東京都内でも年間約5000人もの人が孤独死しているそうです。東京都監察医務院のデータによると東京23区内における独り暮らしの65歳以上の自宅での死亡者数は、2009年は2002年に比べ約1.6倍に増加しています。全国的にも孤独死が増えていると思われます。近所づきあいなど地域コミュニティのつながりがより重要と考え対策を講じている自治体が増えていますが、国としてもこうした地域のネットワークの重要性を認識し対策を講じていかなければならないと考えます。
東日本大震災が起きてから半年が経ちました。皆様も今一度「命」について深く考えていただければと思います。
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訪問の様子
(左からキーパーズ代表取締役吉田太一さん、 中川雅治、一人おいて松原忠義大田区長) |
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左から松竹の小林真希さん、TBSテレビの辻本珠子さん、 キーパーズ代表取締役の吉田太一さん、松原忠義大田区長、中川雅治 |
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