12月7日、参議院決算委員会が開かれ、平成21年決算審議の締めくくり総括質疑が行われました。
私は45分間にわたり、平成21年度決算の問題点や、防衛問題、財政問題などについて野田総理大臣や安住財務大臣に質問しました。
私は、最初に、平成21年度決算の問題点を指摘しました。平成21年5月、麻生内閣が経済危機対策として編成した約15兆円の補正予算のうちの約3兆円を、9月に成立した鳩山内閣が、閣議決定だけで執行停止にしたのは議会制民主主義を踏みにじるもので、到底許されないことであり、この点を強く指摘しました。
続いて、私は、政治の最大の任務は国を守ることであると主張し、最近の状況を踏まえ、国家への攻撃には、@武力による攻撃あるいは武力を背後に持って行う我が国の領土、領海への侵害A社会全体に極めて甚大な被害をもたらすサイバー攻撃BEU諸国で起きたようなマーケットによる国債の売り攻撃などが考えられ、それぞれについて政府等の危機意識と対応策を質しました。
まず、私は、本年8月10日、私が委員長を務めていた参議院沖縄・北方問題特別委員会で当時の沖縄担当大臣枝野官房長官が「我が国が有効に支配している尖閣諸島に対して他国が侵略してきたら、あらゆる犠牲を払ってでも自衛権を行使してこれを排除いたします」と答弁しましたが、これは政府の公式見解かどうか野田総理に質しました。
野田総理大臣は「尖閣諸島を含む我が国の領土、領海で不法行為が発生した場合には、政府全体で毅然として対応することになる。また、万が一、我が国に対する侵略ないしは武力攻撃が発生した場合には、いわゆる自衛権発動の三要件を満たすことが前提となるが、我が国として自衛権を発動して必要な武力の行使を行い得ることは当然である」旨の答弁をしました。
次に衆議院、参議院へのサイバー攻撃について、衆・参事務局の庶務部長を呼んで事実関係と対応について質しました。
私は、国家の危機に直結する問題が我々の国会のお膝元で起きたことに強い衝撃を受けました。
対応が遅れ、衆参の連携が十分にとれなかったこと等反省すべき点は多く、このようなサイバー攻撃は国家への攻撃であるという危機意識を持って、今後の新種のサイバー攻撃に対する対策を十分に立てていかなければならないことを指摘しました。
さらに、EU諸国に見られるようなマーケットによる国債の売り攻撃は国家の破綻にもつながりかねない恐ろしいものでありますが、それが現実です。
マーケットによる国債の売り攻撃にさらされないためには、国債市場との対話を欠かさないマーケットフレンドリーな国債管理政策と、財政健全化への道筋をしっかりと示して国債の償還確実性を全世界にアピールしていくことの重要性を指摘し、野田総理大臣や安住財務大臣の認識を質しました。野田総理大臣や安住財務大臣もこうした認識を持っていることは確認できました。
さらに、私は、野田政権は社会保障・税の一体改革について、民主党内の反対を説得して、早急に具体案をまとめ、財政健全化への道筋をつけなくてはならないことを主張しました。野田総理大臣もそうした決意を語りました。
しかしながら、民主党は一昨年の総選挙の際に実現不可能なマニフェストを掲げ、しかも「マニフェストを全部実施すると16.8兆円かかる。しかし、これは全て、今の仕組みを改め、新しい財源を生み出します」と主張し、「国債は増発しません、4年間、消費税は増税しません」と訴えて政権を獲得したのです。
こうしたでたらめなマニフェストが出来た過程や原因を徹底的に究明して公表し、国民に対しお詫びをすることから始めなければ、 野田政権が社会保障・税の一体改革の案をまとめて消費税増税を提案しても国民の納得は得られません。
社会保障・税の一体改革の案をとりまとめ、財政健全化の道筋を示すことは急務であります。それが出来なければ市場の信頼が揺らぎ、日本売りの心配も指摘されています。
この点についての野田総理大臣の認識を質しましたが、野田総理からは嘘のマニフェストを作ってしまったことの反省やお詫びの言葉はありませんでした。
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参議院決算委員会の様子 |
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参議院決算委員会の様子 |
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パネルを使って質問する中川雅治 |
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質問する中川雅治 |
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答弁する野田総理大臣 |
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