憲法改正は、衆・参各議院の国会議員の3分の2以上の賛成により発議し、国民投票にかけて過半数の賛成が得られれば成立することとされています。
この国民投票の手続を定める憲法改正国民投票法が憲法制定後60年余を経た平成19年5月にようやく成立しました。
憲法改正国民投票法では、国民投票の年齢要件を「18歳以上」としたことにあわせて、選挙権の年齢要件も18歳以上とするとともに、それらの基礎となっていると思われる民法等の成年年齢の規定、さらには年齢要件を定めるいろいろな法律の規定についても、それぞれの年齢要件の趣旨を十分に検討した上で、必要な改正を行うものとしています。
こうした改正がなされるまでの間は、憲法改正国民投票の年齢要件は「20歳以上」となります。
2月29日、参議院憲法審査会は2回目の会議を開き、選挙権年齢や成年年齢の引下げについての検討状況を政府より聴取し、審議いたしました。
内閣総務官からは「法制審議会の答申において、民法の成年年齢の引下げについては直ちにこれを行うことは適当ではないとされた」ことが報告されました。
総務省自治行政局長は「選挙権年齢と民法の成年年齢は一致させることが適当である」とし、「選挙権年齢の引下げのための法的措置については、法律体系全体の整合性を図りながら適切に対処してまいりたい」と述べました。
これに対し、法務省民事局長は「まずは選挙権年齢の引下げを先行させることによって民法の成年年齢の引下げに向けた国民の意識を醸成した上で、成年年齢を引き下げることが現実的な選択肢である」旨の発言をし、総務省と異なる見解を述べました。
私は、選挙権年齢や憲法改正のための国民投票権を行使できる年齢を18歳以上とすることについてはかなり躊躇しています。国の行く末を決める選挙権や国民投票権は、高校を卒業してやはり2年位様々な経験を積んで世の中のことが分かってからにすべきではないかと思います。18歳以上とするのであれば、そのための教育や学習の機会を単に授業という形だけでなく、家庭、学校、職場、更に社会全体で広げていく努力をすべきであると考えます。また、選挙権年齢と民法等の成年年齢は一致させるべきであると思います。
私は、以上の考え方を当日の憲法審査会で述べました。この問題は早急な結論を求めるのではなく、さらに議論を深めていく必要があると痛感しました。
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参議院憲法審査会の様子 |
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参議院憲法審査会の様子 |
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