6月18日、参議院環境委員会が開かれ、不法投棄された産業廃棄物の処理等に対する国の財政支援を規定している「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」(産廃特措法)が平成25年3月31日で期限が切れるので、この法律の期限を10年間延長することとする改正案が審議されました。
この法律は、私が環境省の事務次官を務めていた時に、国会に提出し、成立させていただいたものです。
不法投棄された産業廃棄物は、河川や地下水の汚染、土壌汚染、さらに悪臭や有害ガスも発生させるなど近隣住民の生活環境や健康に影響を及ぼします。そして、その原状回復には多大な費用と長い時間を要します。
本日の環境委員会で、私は、「まずは、こうした産廃の不法投棄をなくすために警察との連携による積極的な摘発が必要であること」を主張しました。
私は環境省事務次官当時の平成14年7月、警察庁の田中長官を訪ねて、産廃の不法投棄に対する警察の積極的摘発、警察職員の都道府県への出向人事の拡大等を申し入れました。
環境省によると、警察との連携はその後も強化されているとのことですが、さらなる努力をすべきであると考えます。
また、産廃を不法投棄した原因者である行為者が原状回復すべきは当然のことであり、徹底した責任の追及が必要であることは言うまでもありません。しかしながら、実際に不法投棄が発覚した時には、その事業者は倒産しているとか代表者が不明であるといった理由で不法投棄者の責任を問うのがなかなか難しいケースもあります。そのような場合は、特に不法投棄された産廃をそのような事業者に出した排出事業者の責任を問うことも必要となります。
私は環境省で事務次官を務めておりました平成14年から15年頃、大きな問題となった青森、岩手県境の大規模な産廃不法投棄事案について排出者を徹底的に調べた結果、排出事業者は2627にものぼり、このうち88%が関東7都県の事業者であることがわかりました。当時、私はこれらの排出事業者の責任を徹底的に追及していくこととしました。本日の環境委員会で私は排出事業者の責任追及に対する環境省の姿勢を質し、さらなる努力を要請しました。
さらに、去る4月10日、参議院環境委員会のメンバーで三重県桑名市と四日市市の産廃不法投棄現場を視察した時に、私は、これだけ大規模な事案になるまでどうして県当局が把握できなかったのか釈然としない感じを受けました。
私は、県等が産廃特措法に基づく国からの財政的な支援を受けるのであれば、県等がこうした大規模な不法投棄を見逃してきたことの責任をしっかり検証することが必要であることを主張しました。
横光環境副大臣から、こうした検証を行い、有効な再発防止策を策定するよう環境省として必要な助言や指導を行っていく旨の答弁がありました。
本日の環境委員会では、各党の委員による審議の結果、産廃特措法の期限延長は全会一致で委員会として可決されました。
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参議院環境委員会で質問する中川雅治 |
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参議院環境委員会の様子 |
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