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活動報告
 

平成23年の活動報告

 

ベルリンで開催された日独フォーラムに出席、参加者と討論、メルケル首相とも面談

11月6日と7日の両日、ドイツのベルリンで日独フォーラムが開催されました。
 日独フォーラムは、日本とドイツの政界、官界、経済界、言論界などから総勢約20人ずつの参加者を得て、日独両国の共通課題について討論し、解決に向けた提言をまとめることを目的に、毎年開催されているもので、今年は21回目になります。
 会場は毎年日本とドイツで交互に設定されることになっています。今年は第1日目の会議がベルリンのドイツ連邦議会内の会議室で行われ、その後、ドイツ連邦首相府に移動し、メルケル首相も参加して活発な議論が行われました。
 2日目の会議はベルリン日独センターの会議室で行われました。討論は2日間で合計10時間にも及びました。
 日本側は、キッコーマン且謦役名誉会長の茂木友三郎氏が座長を務め、国会議員は、自民党から私と城内実衆議院議員が、民主党から吉良州司外務副大臣等が出席しました。
 また、佐々木元日本電気竃シ誉顧問、前原金一経済同友会副代表幹事、中根猛駐独日本大使、田中均元外務審議官、鈴木達治郎原子力委員会委員長代理、田中直毅国際公共政策研究センター理事長、脇坂紀行朝日新聞論説委員等総勢18名が参加しました。
 ドイツ側は、ベルリン日独センター評議会議長のベルンハルド・ジョイブレ氏が座長を務め、ペーター・アルトマイヤー環境・自然保護、原子力安全大臣や与野党の連邦議会議員、ドイツ連邦外務省の役人、経済人、マスコミ人、大学教授など総勢20名が参加されました。
 1日目のフォーラム第1部は「日独それぞれの政治環境の変化の中での日独両国のとるべき政策」について議論が行われました。
 まず、ドイツ側を代表してドイツ連邦議会のCDU/CSU会派院内総務のフォルカー・カウダー議員が基調報告を行いました。
 続いて日本側を代表して、民主党の阪口直人衆議院議員と私が基調報告を行いました。
 私は、民主党政権の問題点、解散をめぐる与野党の攻防の状況、第3極の台頭などの現在の政治状況を報告し、山積する我が国の政策課題について具体的に述べました。
 その後の討論で、ドイツ側から「ドイツ連邦は東ドイツの残した問題を解決し、多くの改革を成し遂げ、ヨーロッパ経済を牽引している」と自信にみちた発言が相次ぐ一方、EUの抱える懸念についても言及がありました。
 日独双方から、「日本とドイツは激化する国際競争の中で、イノベーションに関し、協力すべきである」との発言が出、協力できる様々な分野について具体的な議論が行われました。
 又、ユーロ財政危機について日独双方から突っ込んだ議論が行われましたが、ドイツ側から「国家債務は手に負える範囲におさめていかなければならない」と日本の巨大な国家債務に苦言が呈される場面もありました。
 第1日目の午後に行われたフォーラム第2部は「エネルギーの安全保障と環境に関する課題と日独協力の可能性」と題する討論でした。
 日本側は鈴木達治郎原子力委員会委員長代理が基調報告を行い、ドイツ側はペーター・アルトマイヤー大臣等が基調報告をしました。
 その後、脱原発の道筋や再生可能エネルギーの今後の見通し、さらに地球温暖化対策(CO2削減)のあり方等をめぐって日独間で白熱した議論が展開されました。
 ドイツ側からはペーター・アルトマイヤー大臣をはじめ経済界から、脱原発の方針や再生可能エネルギーの開発に向けて強い決意が語られましたが、具体性に欠け、今一つ説得的ではないように感じました。
 日本側の出席者は原発について様々な考え方を述べ、日本国内での合意は形成されていない状況をさらけ出したと言えましょう。
 ドイツ側からは「日本は東日本大震災以降実際に全ての原発が止まり、実質的に脱原発の状況が起きたと言うが、その分化石燃料を増やし、CO2が増大したことをどう考えるのか」と日本側を非難する発言も出ました。
 アルトマイヤー大臣は「私たちは脱原発だけでなく化石燃料からも脱却し、再生可能エネルギーの道をいく。これはドイツの経済競争力を脅かすものではなく、経済競争力を強化することにつながる野心的な政策であり、東西ドイツ統一後の最大のチャレンジである」と述べました。
 私は、この発言を、原発の位置づけについてもCO2削減の方策についてもまとめきれない日本に対する挑発ではないかと受け取りました。
 又、ドイツ側からは「日本の建物は断熱をしてない。日本の家に住むことはキャンピングをしているのと同じことだ」と強烈に皮肉られました。
 そして、議論はエネルギー分野での日独の協力の可能性に及び、具体的にはバックアップ電源、蓄電、スマートグリットなどITとエネルギーの混合等エネルギー効率を向上させていく分野での研究でもっと両国が協力すべきだとの結論に至りました。
 1日目の第2部が終了した後、日独フォーラム参加者はドイツ連邦首相府へ移動し、アンゲラ・メルケル首相にも参加していただき、日独両国間の課題について意見交換いたしました。
 メルケル首相は「ドイツが主導し、EUの競争力を確保することが大事である」とし、ユーロ圏を維持する強い決意を語りました。又、日本に対して、「日本の巨大な国家債務も日本人の団結心があれば解決できると思う」と述べ、これは日本に対する激励であると受け取りました。
 さらに、メルケル首相は「日本の首相は、ちょっと親しくなるとすぐ代わってしまうので、もう少し長く務めていただきたい」と発言した後、「これは日本に対するクレームでなく、私の希望です」と冗談めかして語っていました。
 メルケル首相は大変気さくな方で、我々日本の国会議員に対して個別に語りかけてくださったり、写真撮影にも積極的に応じておられました。
 2日目に行われたフォーラム第3部は「中国の経済、軍事プレゼンスの増大など東アジア情勢の変化」をめぐって意見交換が行われました。
 私がショックを受けたのはドイツ側から「尖閣諸島にしても竹島にしても島とは言えない岩のような存在なのに、日本はどうしてそんなにこだわるのか」という趣旨の発言があったことです。
 これに対しては日本側から何人もの人が反論しましたが、尖閣諸島や竹島をめぐる我が国の立場を国際社会にもっとしっかり説明していく必要性を痛感させられました。
 10時間にわたる討論から得られた日独両国への政策提言は日本とドイツの両座長にそのとりまとめを一任してフォーラムを終了いたしました。

日独フォーラムの様子
日独フォーラムの様子
 
日独フォーラムの様子
日独フォーラムの様子
 
日独フォーラムで発言する中川雅治
日独フォーラムで発言する中川雅治
 
日独フォーラムで発言するペーター・アルトマイヤー環境・自然保護、原子力安全大臣
日独フォーラムで発言する
ペーター・アルトマイヤー環境・自然保護、原子力安全大臣
 
   発言するメルケル首相        メルケル首相の発言を聞く中川雅治
 
左からメルケル首相、リーゼンフーバー元研究・技術担当連邦大臣、中川雅治
 




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