5月21日開催された参議院憲法審査会で、私は、現在審議中の憲法改正国民投票法改正案について発議者に質問しました。
現行憲法第96条には、「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」と規定されています。
しかしながら、国会は憲法制定後六十年間、憲法改正のための国民投票の手続きなどを定める法律を制定しませんでした。これは国会の不作為であり、国民の憲法を改正する権利の侵害であるとの声すら聞かれるようになりました。
こうした状況を受けて、第一次安倍内閣で、憲法改正国民投票法が大変な紆余曲折を経て、平成19年5月14日成立しました。私は、この時参議院本会議場で与党を代表して賛成討論を行いました。
憲法改正国民投票法は、すでに施行されていますが、この法律には付則として投票権年齢や公務員が行う投票運動などに関し、今後検討すべき事項が規定されていました。
この宿題に一応の結論を出して同法の改正案が今国会に提出されました。この改正案は自民・公明・民主・維新・みんななど7会派の共同提案となっています。私はこの法案を審議する参議院憲法審査会の与党筆頭理事を務めており、本日、自民党の発議者船田元(はじめ)衆議院議員に質問いたしました。
私は本改正案で認められる公務員の純粋な国民投票運動と他の法令により禁止されている公務員の政治的行為との切り分けは実際には難しいのではないかと指摘し、この区分をどう整理しているのか質問しました。
又、国民投票の投票権年齢については、本改正案では、改正法施行後4年間は20歳以上、5年目からは18歳以上ということになっています。国民投票の投票権年齢と選挙権年齢は一致している方が分かりやすいと思いますが、民法などの成人年齢も一致させる必要なないとの考え方も強くあります。私は、この点については慎重に検討すべきであると主張いたしました。
憲法改正国民投票法改正案が成立すれば、国会が憲法改正案を発議する手続きが整うことになります。
私は、参議院憲法審査会の与党筆頭理事として、本改正案の今国会での成立を目指して努力してまいります。
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憲法審査会の様子 |
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質問する中川雅治(右)と答弁する船田元(はじめ)衆議院議員(左) |
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