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私の政策
 
[2] 財政健全化の推進

1)世代間の公平の確保

国家の債務残高はついに1000兆円を突破しました。国債や政府の借入金などが積み重なった結果です。

ここ数年の一般会計の歳出は100兆円前後となっていますが、一般会計の税収は50兆円前後にしか過ぎず、その差額はほとんど国債の発行に頼らざるを得ない状況となっています。

私は長い間大蔵省(現財務省)に勤務し、国の財政の仕事に携わってまいりましたが、歳出はなかなか減らせず、増税はきわめて難しいのが現実で、国家財政の赤字が積み上がる状況に強い危惧を抱いてきました。

これは、現世代の者が少しでも快適な生活を送るために様々な行政サービスを求める一方、負担はあまり負いたくないという矛盾が続いてきた結果です。

国の借金というのは、将来世代の者がいずれ税金によって返済しなくてはなりません。このままでは、私達の子供や孫、さらには次の世代の人達が、親や祖父母や曾祖父母が受けた行政サービスの対価を払うために大変な苦労を強いられることでしょう。こうした世代間の不公平を放置しておくことはできません。

さらに、債務残高の増大により国家財政への信頼が損なわれることになれば、国債価格の暴落、金利の急騰がもたらされます。その場合、国債を大量に保有する金融機関の信用力が落ち、金融システムが不安定化し、企業や家計の資金調達に悪影響が及びます。その影響は日本経済全体だけでなく世界経済に及ぶことも考えられます。

さらに、悪化した場合には、金利上昇だけでなく、新規国債の発行に支障が出るなど政府の資金調達が困難となり、いわゆる財政破綻という事態も生じかねません。ギリシアの財政破綻は人ごとではないのです。

持続可能な社会をつくっていくためには、財政破綻は何としても避けなければならず、財政健全化は喫緊の課題です。

私は次のような政策を今後とも着実に進めるため全力を尽くします。

2)経済の好循環の実現

財政の健全化を図り、持続可能な社会をつくるためには、まずは経済の好循環を実現していくことが重要です。

安倍内閣は、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」からなる経済政策を一体的に推進してきました。

様々な経済指標を見ると、時にはよくない数字も出てまいりますが、全体としては良好な状況を達成しつつあると言えます。我が国経済の再生に向けて、デフレ脱却を確実なものとし、経済の好循環の拡大を図ることにより、中長期的に持続する成長メカニズムを築き上げるべきです。

改善した企業収益を賃上げや投資に結び付け、それが更なる消費や投資の拡大に繋がる経済の好循環を、中小・零細企業や個人事業主まで広げていかなければなりません。

これからの経済成長のカギは生産性の向上であると考えます。そのためには、研究開発投資などの拡大だけでなく、人的資本の能力向上も重要です。一人ひとりの個人の能力を向上させるだけでなく、低生産性部門から高生産性部門へと比較的容易に労働者が移動できるようにしていくことも必要だと考えます。

安倍総理は9月24日、GDPを600兆円に拡大する目標を掲げることを表明しました。さらに「一億総活躍社会」実現に向け担当大臣が任命されました。政府・与党は今後 一体となって様々な政策を動員し、強い経済の実現に向け努力してまいります。

3)歳出・歳入両面にわたる改革

財政の健全化を図り、持続可能な社会をつくるためには、まずは経済の好循環を実現していくことが重要なことは言うまでもありません。そのうえで、歳出・歳入両面にわたる改革を進めていかなければなりません。

国と地方の歳出は国民のための様々な公共サービスを行うためのものですから、歳出改革は国民の幅広い参加を求めていく必要があります。

私は、民間の知恵・資金等を有効活用し、公共サービスの効率化を実現するとともに、企業やNPO等による公的サービスへの参画の検討を進めるなどして、国民の合意が得られる歳出の縮減に努力してまいります。

しかしながら、社会保障の充実、子育て支援の強化など、必要な歳出はしっかりと確保していきます。

我が国政府の債務残高の対GDP比はすでに230%近くに達しており、先進諸国の中で、ずば抜けて高い水準になっています。

一方、租税と社会保障負担を合わせた国民負担率(対GDP比)をみると、我が国は28.3%となっており、イギリス36.6% ドイツ38.8% スウェーデン42.8% フランス45.0%(いずれも2010年度または2010年の数字)と比べるとかなり低い状況です

今後の少子・高齢化の進展等を考えると、方向としては国民負担率の上昇は避けられないでしょう。ただし、その場合でも若い方が意欲をもって働くことができ、持続的成長が可能となるような税制にすべきです。又、私は税制の所得再分配機能をもう少し高める方向での改革を考えるべきではないかと思っています。

4)格差の是正
  ―いたわり、思いやりのある社会の実現

持続可能な社会をつくるためにどうしても欠かせない視点は、いわゆる格差社会と呼ばれる状況を脱し、いたわり、思いやりあふれる社会を実現していくことです。

歳出・歳入改革を進めていく時には、常にこのことを考えて議論していくことが必要だと思います。

私は、生活困窮者の自立に向けた支援に取組むと共に、とりわけ子供の貧困対策に力を入れたいと考えています。子供の相対的貧困率は、国民生活基礎調査によるとOECD34か国中25位と高い水準になっています。子供の貧困は、頑張れば報われるという本来あるべき社会の常識に反する重大な問題です。子供たちの未来が家庭の経済的事情によって左右されることがないようにしなければなりません。親から子供への「貧困の連鎖」を断ち切るための教育支援、生活支援、就労支援に力を入れてまいります。

又、障害のある方々に対する配慮ある政治・行政に重きを置き、皆が気持ちよく生活できる社会をつくるための努力を続けます。

こうした政策は必ずや持続可能な社会づくりに繋がってまいります。
持続可能な社会の実現をめざす
[1] 環境問題への取組み
[2] 財政健全化の推進
[3] 教育再生への取組みと科学技術の振興

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